受付でダリアといったん別れ、私達は待合室に通された。暖房の効いた暖かいその部屋でお茶とお菓子をいただいたいると僧侶が私達を呼びに来た。焼き場の方でダリアと最後のお別
れをして下さいとの事。待合室から50メートルくらい離れた立派な焼き場には炉が3つ並んでおり、その真中の前にダリアがいた。
最後のお別れ。ダリアの名を呼んで大好きだったサイエンスダイエットのトリーツをあげる。冷たい体を撫でる。本当にダリアのこの姿を見る事が出来るのは最後だ。僧侶が教を上げる。私達は順番に焼香する。人間の葬儀と同じにしてくれる。動物も家族の一員なので当然と言わんばかりに僧侶の読経は続く。胸が詰まる。焼香が終わり読経が終わり、ダリアの箱は炉の中に音を立ててすべり入れられる。扉がしまる。係りの男性が私達に一礼して立ち去る。炉の中からゴーッという火の噴出す音が聞こえる。放心する私に僧が再びさっきの待合室で40分程待つように言った。
焼き場を出て煙突を見上げるように振り替える。まだ煙は出ていない。
今ダリアはこの世から消えようとしている。