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カンボジアの地図を見てみると真ん中に長く大きな湖があるのに気づく。シェムリアップの広域地図を見ていると今度は「トンレサップ湖満水時ライン」という点線が描かれているのにも気づくだろう。この湖はとにかく広大でしかも「伸縮する湖」として有名だ。湖としては世界最大の漁獲高を誇り、カンボジアの民に豊富な食料を提供している恵みの湖だ。
左の写真はトンレサップ湖に向かう途中の高床式のレストランから撮った写
真だが、スリングさんの話では満水時はこの桟橋のすぐしたまで水が満ちるという事だ。乾期には船着き場は遠いが雨期は近くなるとも言った。かなりの伸縮率だ。
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前日のスコールの中、私達はトンレサップ湖へ向かったのだが、あまりの豪雨と強風に「湖はすごい波が立つんだ。きっとこれでは船が出せない」というスリングさんの言葉に泣く泣く引き返した。翌日はもうシンガポール経由で日本に帰らねばならない。そこで、スリングさんの10時50分の飛行機に間に合うように「湖に朝日を見に行こう!5時30分にホテルに迎えに行くよ。」という提案に乗った。まだ真っ暗なシェムリアップの町を走り抜け、空の白み始めた頃トンレサップ湖の船着き場についた。
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スリングさんが船着き場で一艘のボートを交渉でチャーターしてくれた。2時間で30ドルとの事。12人乗りくらいのボートなのでその位
はしょうがないかなと思いOKした。乗り込んで船が出るとしばらくは土色の川を行く。両岸にはボートハウスや川にせり出した様に建てられた家々が見える。そろそろ起き出した人々が朝の支度をしている。私達が彼らを見ているのと同じように彼らも私達をみている。小さい子供は必ず手を振ってくる。
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船着き場から川を行く事10分くらいで、私達は開けた湖に出た。水平線が地球の丸みを感じる程に広がっている。まるで海だ。重くたれ込めた雲に土色の水、存外激しい波、強い風。一言「すごい!」と私は言葉に出して言ってしまった。最初スリングさんが「湖に行かないか?」と言ったとき、正直、「湖は日本でもカンボジアでも湖に変わりなしだよなー。そんな時間があったら遺跡の方がいいかな」と心で思ったりもした。しかし、大間違い。スリングさんがここを見せたかった気持ちも理解できた。ここはカンボジア人の自慢なのだ。「我々にはこんなにも豊かな恵みをもたらす湖があるんだ。」という。それはアンコール王朝のころから続く恵み。そういえばバイヨンのレリーフにも魚がたくさん描かれていた。ここはアンコール王朝の繁栄を支えた湖としてもぜひ見ておくべき所だ。
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とにかく水の色がすごい。土の色と言うかミルクココアの様。水深はそれほど無いのか、所々に水没した木の枝先が水面
に揺れている。
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わざわざ早起きして見に行った朝日はたれ込めた雲のお陰でこの程度。でも満足。
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川に添って出来た町のようだ。学校や病院、交番などもボートの上にある。
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私達が朝日を堪能して帰途に付く頃、川は朝のラッシュアワーをむかえていた。
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