ジョードプルからプシュカルへ移動する際、チャーターした車のドライバー君はいかにも人の良さそうな若いお兄ちゃんだった。 エアコン無しのTATA製の小型車に私たち4人とドライバー君の5人乗りで がたがた道をプシュカルへと走った。 走り出してしばらくするとドライバー君は自分の村の話をしだした。 その日は土曜日、プシュカルに行く途中にあるその村の実家に家族が集まっていると言う。「もしよかったら寄って行かないか?」と言う。95歳のひいお婆ちゃんがいるのでぜひ会って行ってくれ、とも。

 
 

さて、ここはインド、まずは警戒するのが原則

まさか人気の無い町外れに連れて行き私たちから金品を強奪する気では?、、、 まさかその村は強盗村で私たち4人は失踪する事になるのかとか、、、、 いろいろヤバい事が頭を巡ったが、ドライバー君の声や顔にはなんの曇りも無い。

「まさか、こいつ自分の村に自分が寄りたいだけなんじゃ、、」とも思う。 4人で日本語で相談し、インドの村の暮らしを見れるし、ここは行ってみようではないか、という事で決定。 私たちは4人だ。しかも金目の物など日本製のデジカメくらいしか持っていないし。

   

「じゃ、行こう!」と彼に告げるとおもむろに携帯でどこかに電話している。

電話を切ると「今、実家に電話した。みんな集まって待っている。」と笑顔で言う。おいおい、いちいち笑顔で後ろを振り向いて話さなくていいから、前見て運転してくれーー。

   

しばらくして車は国道からはずれ未舗装の細い道を進む。 1時間程して、行けども行けども畑の続く道をやっと抜けて村に入った。

彼の家は思っていたよりずっと大きく立派だった。 そして出て来る、出て来る。いったい何人の親族が住んでいるのだと思うくらい。 ドライバー君はあらかじめ私達に、村に着いたら「ラムラム」と挨拶してくれ、と言った。「ナマステ」は年寄りには通じないからと言うのだ。

へぇーーと納得し、私達は村のお爺さん達に「ラムラム」と挨拶。彼らも「ラムラム」と返す。

   

私達は家の奥の部屋に通される。その間、私達はまるで人気芸能人の様に女性や子供達に取り囲まれ「ラムラム」を連呼していた、、、

少し暗い部屋の奥には95歳のひいお婆ちゃんと80代のお婆ちゃんのお姿が。 私達は二人のお婆ちゃん達の前に座り、親戚一同に取り囲まれ好奇の目に曝され、何を話す訳でもない、、、。

   

すると嫁(?)と思しき女性が暖かいチャイを持って来てくれた。 一瞬ためらう、、、

まだ猜疑心が残っているらしい、、、 「まさか睡眠薬が入ってる?」 昏睡→強盗→行方不明という図式が頭をよぎる

しかしこの間私達の顔は当然かなりの笑顔をキープしている。

 

 

←  ドライバー君の兄嫁

   

チャイは美味しかった。そして私達は眠くならなかった

その後、ドライバー君の親戚兄弟の内、英語が喋れる人達と雑談。 家の中や家畜小屋などを見学させてもらい、みんなで記念写真を撮り、本当に楽しい時間を過ごす事が出来た。

帰り際、私は少しだけお金を包んだ。あくまでも彼らの持てなしに対する「気持ち」である。彼は笑顔でそれを受け取り、「ありがとう。みんなで分けるよ。」と言った。

 

←  ドライバー君の兄達

   

車に乗り村を去る時、来た時以上の人数が私達を見送ってくれた。 暖かく私達を迎えてくれたドライバー君の家族のたくさん笑顔が今でも忘れられない。